他人の幸福を願う思いが、私の人生を変えてくれた


かおる/37/女性

長野県飯田市
家事手伝い

—— 最初に10日間コースを受けたのはいつごろ、どのセンターですか?
2009年ごろ、京都ダンマバーヌでした。
—— 休みはどのようにして取りましたか?
ちょうど退職している時期でした。
—— どうして行こうと思いましたか?
幼少期からの生きづらさがピークに達していた時期だったので。
—— どういうきっかけでJVAを知りましたか?
きっかけが思い出せないのですが、なにかのきっかけでヴィパッサナーを知りました。宗教や瞑想というものにはまったくご縁がなかったのですが、なぜか必ず行こうと決めていました。断食を一か月やって、そのあとに行こうと決めていました。
—— ほかの瞑想方法(ヴィパッサナーを含む)は検討しましたか?
   もしくは、試したことはありますか?
いいえ。後にも先にも、京都で学んだヴィパッサナーのみです。
—— 最初のコースを終えて、何か変わりましたか?
私は今まで計7回座り、サーバーを4回体験させていただいていますが、初回でみるからに別人のように変わる方をたくさん見てきました。しかし、私に限っては最初のコースは今までの生き方の癖がまったく抜けず、頭で考えることから離れることができませんでした。

毎晩の講話に感涙し興奮したのを思い出します。理論に感動しっぱなしで、今思えば「反応」しまくりだったんですね。センターにいる間は、「なんとなくある程度悟った気」でいましたが、社会に戻った途端、以前の心の癖に引き込まれ、苦しみにまきこまれ、同じことを繰り返していたと思います。

それでもセンターで過ごした10日間という時間が、私にとっては、自分の中の神様と出会う場所と認識していました。慈愛に満ちた体、心。私のなかにそれがあるんだと、はっきり教えてもらえました。今まで不安にさいなまれてきたのは、自分のなかに愛のようなものがまったくないのではないかと、頭で考えて絶望してきていたからなんですね。

ヴィパッサナーを経験してなにもかもの原因と、生まれた時からずっと同じ場所にあった慈愛に気づき、その場所への道筋を教えてもらい、何度も通うようになりました。

—— コースから戻ったあと、周囲の人たちから何か言われましたか?
周囲の人に「変わった」と言われたのは、生徒で参加させていただいて5回目くらいからです。毒気が抜けたというか、緊張感がなくなったようです。以前の私は自然な姿勢が常に「臨戦態勢」だったことに気づきました。つまらないことにムキになり、自分が上(と当時は考えていた)にならないと不安になる。

口が達者だったので、正論(と思い込んでいた)で、いつも人を言い負かしては落ち込んでいたのです。今思えば、私に言い負けてくれた人たちは、正論ではなく、私の攻撃性をどこかで感じ、かわいそうになってくれたのだと思います。

家族に「本当に変わった」と言われたのはつい最近です。どんなことにも動じず、口先だけじゃなく、そばにいてくれると安心できる。以前は緊張感が痛々しかったと、言われました。

—— またコースに参加してみたいと思いますか?
はい。
—— これまで10日間コースに何回参加しましたか?
   複数ある場合は、およその時期を教えてください。
10日間コース7回です 2009年7月、生徒1回。 2011年1月、一か月滞在したうち、生徒2回、サーバー2回。 2013年5月、生徒1回。 2013年6月、二か月滞在したうち、生徒3回、サーバー2回。
—— 日々の瞑想は実践していますか?
しない時もあります。するときはだいたい就寝前40分くらいです。
—— 続けるときのポイントや工夫していることはありますか?
JVAのホームページからゴエンカ氏の瞑想の音声をダウンロードして、それを流してやっています
—— 周囲の人にコース参加を勧めたことはありますか?
はい。友人や家族にすすめています。
—— 瞑想をしていることについて、
   友人や家族など、周囲に人にどう思われていますか?
う〜ん、どうでしょうか……。わかりません。少なくとも「変な宗教なのでは?」とは思われてはいないようです。みんな真剣に耳を貸してくれます。
—— 一日瞑想会やグループ瞑想会に参加したことがありますか?
   ない場合、参加しようと思いますか?
一日瞑想会は長期滞在中参加させていただきました。一日が非常に透明感があり、充分な価値があると実感しました。
—— 意見交換など、横のつながりの必要性は感じますか?
   ある場合、どんなところに期待しますか?
あります。10日間がおわったあと、毎回毎回強く強く思うのですが、センターに友達募集とか、瞑想仲間募集のボードをおいてほしいと思います。ブッダも仰っていますが、やはり仲間は心強いです。とくに日本は仲間がいないとこの修行の継続は非常に危ういと思います。

この修行の恩恵は継続にこそあると思うのですが、私もそういいながら、まだまだひよっこでよろよろしているので、毎日2時間座れません。もし、仲間が常にそばにいる、連絡がとれる状況にいたら、確実に変わっていくと思います。

あとは、心の慈愛についての話ができたらうれしいなと感じます。そういう場所から、世界や政治の話ができたらいいなあと感じます。あとは、ヴィパッサナーをどう広めていけるかという課題も一人よりも常に話し合える仲間がいたらもっとアイディアもでると思います。

—— コースに参加して、改善してほしいことはありましたか?
やはり、横のつながりを作る工夫をしていただきたいです。
—— サーバー(奉仕)をしてみようと思いますか?
素晴らしい修行です。ヴィパッサナー瞑想を実社会においてどう生かすかを体験する修行です。その分辛いこともありますが、とても貴重な苦しみの体験になります。私にとってはサーバーこそ実践的な修行です。また参加します。

【以下、サーバー(奉仕)体験者の方へ】

—— サーバーをしたのは、最初のコース参加後からどのくらいあとですか?
2年後くらいです。
—— どうしてサーバーをやろうと思いましたか?
初めての参加は本意ではありませんでした。長期滞在において座り続けることは不可能なので、本当は座ることだけに集中していたかったのですが、仕方なく参加したという感じです。
—— 初めてサーバーをして何を感じましたか?
私はキッチンマネージャーをさせていただいたのですが、いつも通りの緊張感で一杯でした。時間に追われ、仲間に指示をだし、仲間をまとめ、時間正確に生徒さんにご飯を提供する。

キッチンの中は「社会」でした。社会のなかで、いつも通りの緊張、不安、焦りを心のなかで、または態度で仲間に反応していました。でも、一日3回、生徒さんと一緒に瞑想に参加する、その時間に緊張、不安、焦りに気づき、そして手放すことを体感で学ぶのですね。「社会」「修行」を繰り返すことで、ヴィパッサナーが身についていく実感がありました。

—— 生徒での参加とサーバーでの参加では、何が違いましたか?
まったく違いました。生徒での参加はヴィパッサナー瞑想と自分、それだけの世界に没頭できます。それゆえに自分の無意識の領域から湧き上がってくる苦しみや怒りを手放すときに再体験するのですが、集中しているだけにその苦しみも強いです。無意識の領域にため込んだ老廃物や毒素が外に排出され消えていく、それに集中する10日間です。そして、最終日に行う、メッターを修行し、毒が消えたその場所の奥に生まれた時からある慈愛に気づいていきます。サーバーはその修行を踏まえたうえで、それを実社会にどう生かすかを教わる修行です。

そして、サーバには毎晩生徒さんが床に着くとき、生徒さんやサーバー仲間、指導者、生きとし生けるものみんなへが平和で、愛に満ちているよう、祈る時間があります。その時間はとても重要なものでした。私たちは、ここに集まった人たちの苦しみを、手放し、慈愛にたどり着けるよう、手助けをさせていただいているんだ、そう深く感じ、それでまた満たされる時間でした。自分だけの苦しみにさいなまれていた自分が、心の深い部分で、他人の幸福を真意に願っている。この実感が、私の人生を一番変えてくれたものかもしれません。

—— またサーバーをやろうと思いますか?
はい、ぜひ参加したいと思っています。
—— 生徒として参加したいと思う場合、どんな理由ですか?
慈愛への道筋をもっと明確にし、その道にある石っころや泥沼を整理し、自分、他人、すべての命に幸福を祈れる自分でありたいからです。




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たった十日間で本来の自分を取り戻せます。ブッダが悟りを開くきっかけになったヴィパッサナー瞑想のなかで、日本ヴィパッサナー協会(JVA)が行なっている十日間コースの参加者を対象に、コース参加前後でどのような変化があったのかを聞く。